本日は温泉について自分の経験を書きたいと思います。地球儀を眺めてみて東半球の太平洋の東側を見ると長々と海溝が横たわっております。北はアリューシャンからカムチャッカ半島、千島列島、日本列島、南西先島諸島、台湾、フィッリピンにかけての場所です。プレートがぶつかり合うその場所は、地震や火山、津波等の天変地異を齎すところでもありますが、温泉も数多く湧き出します。日本列島では1000-1200m掘れば温泉が湧き出るとはよく言ったものです。ましてや温泉地と言われる場所ではその深度は浅くなる傾向にあります。日本は温泉資源に恵まれております。ではその温泉とは何かですが、風呂の白湯と比較して鉱物成分が入っているお湯になります。温泉の温度が17度Cという冷泉がありますが、これはそのまま入ると我慢大会となります。ところが40-42度位まで加熱すると素晴らしい魔法の水になるのです。私が使っている1泊2日の旅行カバン
温泉に浸かった時に感じるあの心地よさは一体何なんでしょうか?家の風呂とは異なるあの独特の滑りがある場合もあります。これは温泉水に含まれる鉱物によります。多いのはナトリウムです、ナトリウムが大部分のナトリウム温泉も非常に多いです。脱衣場の成分表を見れば判るのですが、陰性と陽性に分けて書いてあります。有馬、別府、箱根や草津等の有名な温泉はナトリウムの他にカルシウムやカリウム、マグネシューム、硫黄など多種類の鉱物が多くの比率で混在しております。鉱物の割合によってその性質も変わるのです。例えば別府の国指定名勝の血の池地獄と海地獄、鬼石坊主地獄では泉質が異なります。赤色の血の池地獄では酸性緑樊泉78度、マリンブルーの海地獄の泉質は含食塩酸性泉(ラジウム硫酸鉄を有する)、灰色の鬼石坊主地獄はナトリウム(塩化物泉)泉と全く違う温泉なのです。残りの龍巻、白池、鬼山とかまど地獄等もナトリウム泉が多いにしても全く色や特徴が異なります。有馬でも金の湯、銀の湯と炭酸の湯が分かれており、井戸によって泉質が異なっております。1つ温泉で多種の泉質の温泉に入れる場所はやはり有名温泉地で人気も高いです。このような旅行予約サイトもあります。
では温泉でも源泉かけ流し、沸かし湯、運搬湯、ラジウム温泉とか色々な温泉がありますが、どの温泉が良いのでしょうか?私は国から温泉と認可されている限りは温泉の範疇であり、沸かし湯とは異なるという見解を持っておりますが、普通のお湯に石を浸したラジウム温泉とかはあまり効果があるようには思えないのです。また、専門機関が審査して温泉水の成分表が貼っていない温泉は偽物温泉と思っております。まだ、温泉から運搬してきたスーパー銭湯や家の風呂に温泉の素を入れたほうがましかなあと思います。それから言うと源泉かけ流しは非常に贅沢です。贅沢の極みかもしれません。特に草津の源泉冷却池や外湯巡りは爽快です。1軒づつ外湯をめぐり冬でも湯冷めしないあの温泉効果は格別でした。私は先程申した17度Cの冷泉を沸かした温泉でも十分な効果はあると思います。たとえ鉱物がナトリウム単独であっても別府の温泉の様に効果は期待できると思います。
では家の風呂と温泉の究極の違いは何か?湯冷めする速度の違いと思います。例えば家の風呂が冬5分で湯冷める場合、温泉だと20-30分かかるといった事例です。冬に素足に下駄を履いて城崎温泉の外湯巡りで試しました。外は雪景色、零度以下でした。まず旅館西村屋本館の内湯で暖を取り出発、近くのまんだら湯へ、ここは道智上人が1000日八曼荼羅経を唱え続けたところ湯が沸いた伝説の湯ですが、ここの温泉は効きました。その後300m歩いて御所の湯へ、ここの露天は気持ち良かったです。それから200歩いて一の湯へ、すべて泉質が違う気がします。この頃から素足が寒く無くなりました。柳の湯で休んだ後に西村屋へ戻りました。足は全く冷えていなく、温泉効果が体験できました。
旅館や温泉地には24時間入浴が可能な温泉があります、これこそ贅沢の極みです。あるツアーでは問題が多く、夜寝れなくなった時に、深夜の露天風呂に入りました。これが意外と気持ち良く、温い温泉に20-30分浸かったでしょうか?夜が明けたのも忘れて寝てしまいました。それから憑き物が落ちたようにトラブルは無くなり、すんなりと順調にツアーは終了しました。文句を言っていた人も全員笑顔で飛行機に乗りました。
先程別府の血の池、海、坊主と赤、青、白の温泉をご紹介しました。草津の中心のエメラルドグリーンも綺麗ですが、私が気持ち良かったのは北海道は十勝川温泉の黒い温泉です。しかもかなり滑っております。長時間浸かっても湯あたりしませんでした。しかしながら体調が悪い時は無理は禁物です。すぐに湯あたりして、翌日以降も影響がモロに出るからです。ある温泉で温泉臭が余りに鼻に付いて仕方なく、5分で湯あたりの症状が出たことがあります。脱衣場で成分表を見るとナトリウム泉でしたが、下の方にヒ素と水銀の文字がありました。これが原因かそれとも硫黄分が原因かわかりませんが、あまり行きたくない温泉もあります。そういう意味で温泉の成分表は確認された方が良いと思います。
通訳案内業務をしていて外国のお客様の対して温泉の入り方のレクチャーをします。或いは男のお客様と一緒に入り指導します。入浴の理想として到着後すぐ、寝る前、翌朝起きてすぐの3回入浴をお勧めするのですが、本音を言うならば好きな時に入るので一番でしょう。温泉地に来て温泉に入らないお客さまもおられましたが、これは体調と大いに関係がある為、是非ともお勧めは禁物です。NHKの以前の朝ドラ「カーネーション」で主人公の父(小林薫)が加賀温泉に行って亡くなり骨になって帰る場面がありました。温泉で倒れて亡くなれば本当に多くの関係者にご迷惑がかかります。これは自分のお客様や身内では絶対に避けたい事態です。
最後は温泉旅館で頂く夕食や朝食ですが、最近有名シェフが作る最高の料理などを提供する宿もあります。腕によりを掛けた料理にはそれなりの地酒がよく合います。これに部屋が感動的であれば、最高の状態となり人生の良き宝物となります。温泉宿を通して普段できない体験をものにすれば、かけがえのない旅行となるのではと思います。では皆様の最高の旅行ができることをお祈りします。