旅の「キッカケ」はどこにありますか?

 旅の「キッカケ」という題名ですが、私の場合1枚の写真であったり、動画であったり、或いは雑誌などに紹介されている文章や語句の中にあったりしました。もう20数年前の事、その頃機械メーカーの営業で全国を出張で飛び回っておりました。全国に知らない土地は無いなんて自惚れていた時です。電車の中の貼り広告にニッカウヰスキーがある地方都市の写真を載せておりました。それがどこか全くわかりませんでした。それもそのはず、行ったことが無かったのです。ある山の上からから内湾のような二つの水面を通してかなり大きな街が写っています。左は大きな内湾らしき水面、その右側に中央卸売市場らしき建物が、そこから内湾は二手に分かれて右側と奥に消えてゆく。奥の方が街の中心になっていそうです。この写真が近い写真です。画像が悪く申し訳ありません。今度この場所に行った時はこのポイントより写真を撮るつもりです。皆さん解りますか? 下記の写真は高知市役所観光魅力創造課より許可を得て掲載されて貰っている写真です。

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 悩むこと約ひと月、とうとう全国の地図を引っ張り出して調べました。多分県庁所在地であるとの見当をたてて、海岸線の街を北から調べ始めました。青森、秋田、新潟、仙台、富山、金沢、東京、横浜、清水(静岡)、名古屋、和歌山、津、大阪、神戸、岡山、鳥取、広島、高松、松山、徳島、高知、福岡、大分、宮崎、長崎、熊本、佐賀、鹿児島、那覇。わからん?どこだ?県庁所在地ではないのか?

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 そこでそれ以外の都市も調べました、釧路、函館、八戸、気仙沼、酒田石巻、小名川、銚子、三崎、焼津、四日市、田原、新宮、湯浅、海南、敦賀、舞鶴境港姫路新居浜、今治、八幡浜土佐清水宇和島児島福山、尾道、岩国下松徳山、浜田、益田、唐津、延岡、志布志、枕崎、出水、佐世保。もうないか?それでもわかりませんでした。ヒントはインクの色にあります。

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 ニッカウヰスキーに電話して聞けば一発で判明することは解ってましたが、あくまで自力更生にこだわって探しました。難しかったのはどの方向から撮っているか解らないこと。取り合えず候補に挙げたのが上記の太字の都市でした。その中で指名手配犯の写真を凝視して覚えて駅で張り込む刑事の様に各都市の写真を凝視しました。そして綿密な捜査の結果、蒲鉾型の橋梁と川沿いの建物が高知と一致していることが判りました。最後に中央卸市場を調べるとドンピシャでした。  

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 そうしているうちに高知に行きたくなりました。色々調べると本場高知で食べるかつおのたたきは味が違う、塩で食べるらしい、かつお以外にも皿鉢料理というものがある。また個別にはドロメやはちきん地鶏、うつぼの造り、きびなご料理、めひかり、青さの天ぷら、キンメダイのかぶと煮等数えきれない土佐一品料理の種類に加えて日本酒も辛口が沢山生産されており、行くのが楽しみになりました。上記の写真は皿鉢料理です。

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 居酒屋では大阪にお店のあるSから行こうかそれともひろめ市場から行こうか、それとも新たに現地で開拓するか迷いました。ともかく海鮮と辛口の日本酒はどこも魅力に見えたのです。しかしながら会社員時代に高知には一度だけ訪問できました。そこには強力なライバル企業の本丸があったのですが、そんなことよりも居酒屋で物珍しい食いきれない位の食材と高知の地酒のメニューがあったことが印象に残りました。結局、通訳案内士になってからかなりの頻度で行きました。上記はひろめ市場近所の有名な居酒屋さんです。高知のお酒を家で飲みたい方はこちらです。全国のお酒が買えます、もちろん高知の地酒も。

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 通った居酒屋さんもSを手始めにほぼ有名処は総なめした感じです。Sでは中国のお客様をお連れして大宴会をやり、土地の人よりもよく飲んだと言われました、またそれより飲んだのは通訳案内士仲間の宴会であったと思います。一升瓶が数本空になっておりました。次の日二日酔いも無く無事に業務を遂行して、終わったらひろめ市場でJRに乗る前に夕食と称して飲んでおりました。その後現地にも仲間が出来ました。やはり土地に仲間がいると心強いものです。美味しいお店もその後ますます開拓していっております。やはり郷に入っては郷に従えですね。高知は一つの拠点になった感じでした。上記は土佐清水のゴマサバの刺身です。他では食べることができません。高知のお酒に合う料理を家で食べたい方はこちら。  

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 営業を全国廻っていた頃、行く先々に行きつけの居酒屋がありました。いつもいっしょに出張する上司が、定年退職したら「出張うまいもの日記」を書くんだと言っていたのを思い出しました。上司が手を出す前に太田和彦さんの日本100銘居酒屋等が世に出てきて、それを参考に地方の旨いもの文化を味わっているのが現状です。おっさんの出張だけでなく女子旅もそうですが、旅行や出張したらやはりその地方の旨い店は捜したいものです。捜しあてた時の喜びとその店が潰れた時の悲しみは計り知れません。居酒屋文化はその位の価値を持ったものなのです。新型コロナ禍で多くの店が閉めざるを得ませんでしたが、コロナ後は百花繚乱の様に味とサービスを競うお店が登場してほしいものです。上記の写真はひろめ市場です。ここは高知市を代表する居酒屋街です。

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 この中には大手居酒屋チェーンは悲しいかな入ってません。私の好きなのは太田和彦系の地元色が極めて強い居酒屋さんです。高品質であり価格はリーズナブル、高要求の客筋対応にきちんと対応できている、そして歴史がある。呑み助が聞いたら是非とも行きたい居酒屋文化。それを求めていたことを知りました。上記はひろめ市場近所の居酒屋さんでの仲間との会食の様子です。  

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 話を最初に戻しましょう。旅の「キッカケ」は何かですが、写真でも動画でも人の文章でも見て旅に行きたいとなった時が、旅の「キッカケ」なのです。特に高知の場合は、この街どこだろうから始まり、その街を調べるうちにますます行きたくなった。その時天命である出張命令が下った。業務を終えて居酒屋へ行ってみると将に自分が想像していた場所であった、また酒や魚、飯等の当地の味が気に入った。それから高知通いが始まったという流れなのです。初歩段階は高知市に、そのあと須崎や室戸、四万十、土佐清水と地方に行き、前回とは違った良い味を体験しました。しかしまだ征服には遠い段階なのです。ここにはこんな美しい光景と出会うことができました。旅に行きたくなった方はこちら。宿泊や交通アクセスの予約はこちらでも可能です.

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