四国八十八個所霊場巡りの最終札所香川県の医王山遍照光院大窪寺を訪問しました。お遍路さんの一番最後に行くお寺です。ですので結願(けちがん)のお寺と言われす。逆打ちの場合は第1番札所となります。もし逆打ちをする場合は海から遠い四国山地の山の中まで行かねばなりません。これは1番札所から回っても最後はここに来るのですので同じ行程を辿ることになります。住所は香川県さぬき市多和兼割96です。周囲がすべて山なので修練には良い環境です。四国八十八個所霊場巡りで宿の必要な方はこちらを参考にしてください。【Yahoo!トラベル】
4月初めに訪問した時は付近の桜が満開で綺麗でした。このお寺は717年行基和尚が当地を訪れた時、夢を見て茅葺の小屋を作って修行に入ったそうです。815年に唐から帰国した弘法大師が大窪寺奥の院の洞穴で虚空蔵求聞持法を修行し、薬師如来像を彫り込み、長安で師匠の恵果和尚から授かった錫杖を奉納して、結びの地として大窪寺と命名したそうです。航空機で四国入りする方はこちらを参考に。
ですので大窪寺のご本尊は薬師如来です。お寺の西側の女体山には奥の院があります。湧水と薬を一緒に飲むと効果倍増という言い伝えがあります。その為、参拝して薬を飲む方が絶えないそうです。以前真言宗の多くのお寺が女人禁制をひいておりました。しかし大窪寺は女性が参拝できたようです。なので昔から多くの女性が参拝して、四国における女人高野霊場であることが知れ渡りました。自宅で手造りの仏像を拝みたい方はこちら。
結願(けちがん)とは聖地回りの締めのお寺を参拝することです、私は多くのお寺を飛ばしましたので結願とは言いません、あくまで87か所を参拝したのちここへ来ると結願の権利を得ます。参拝者は結びの後同行二人の金剛杖をここで奉納して下山して帰宅します。ですので宝杖堂は杖を奉納して初めて今回の八十八個所霊場参拝が終わったことを意味します。この奉納された杖はどうなるのでしょうか?1年1回の柴灯護摩供の法要で燃やされ供養されます。
大師堂の地下には地下内陣があり、八十八個所のお砂踏みをするところがあります。ここでお砂踏みをして八十八個所を回ると同じご利益があると言われます。足の悪い人用のご配慮八十八個所であると思います。
医学が未発達な古代や中世の時代には疫病が流行ると、民衆は大窪寺に参拝して「南無薬師不要疾病」と読経しながら大窪寺を参拝したと言われます。ここは薬や医学のお寺なのです。祈祷して修行する、八十八個所霊場を回ることが最も効果的な方法だった時代があるのです。
大窪寺には本堂、大師堂以外に有礼堂、中殿、多宝塔である奥殿があります。奥殿には本尊である薬師如来と三国伝来の錫杖があります。ここは大師堂です。
普通薬師如来は左手に薬箱を持ってますが、大窪寺の薬師如来は法螺を持っております。この法螺薬師は心の中にある煩悩と心の霧を法螺の音で吹き飛ばしてくれるそうです。
大窪寺の山門付近には食堂(飯屋)が複数あります。店舗を見るとコンニャクが水に浸かっているのが見えます。コンニャク以外にはうどんが有名です。大窪寺のうどんすきは美味いそうです。このうどんは味が違うそうです。うどんを打つとき弘法大師の霊水を使ってうどんを作るそうです。うどんすきの中には大根、ニンジン、あぶらげ、豚肉、ネギ等の材料が入っております。冬は体が温まり、夏は滋養強壮に良いとされます。量は多いようです。
自家用車やレンタカー等車を使う以外のアクセスを説明します。JR四国高徳線「造田駅」からタクシー35分、または高徳線「志度駅」から市コミュニティーバス約1時間「大窪寺」下車だそうです。高徳線は高松徳島線の意味です。